be in 7th heaven 8

もう少し続きます。


「ママ~~!!はやく~~!」

 彩がエントランスで叫んでいる。
 生まれて初めてのピアノの発表会だというのに、緊張感もなく笑顔で俺の両親に手を引かれて、はしゃぎまくる。自分の娘ながらも大したもんだともう。たぶん、牧野家の遺伝子のなせる業。それも、つくしに似たのだろうと思えば、自然と口元が綻ぶ。
 子供たちの準備は、すでに万全。優も彩と一緒に二人手を繋いで、待機している。


「おはようございます。お義父さま、お義母さま」

 少しだけ準備で遅れてきた、つくしが、にっこりと挨拶すると、

「つ、つくしさん?」

と、まず俺の父親が彼女の異変に気付いた。一瞬その視線を彷徨わせ、俺を睨みつける。
 そして、俺の横に来て、そっと耳打ちをしてきた。

「おまえ、つくしさんに何をした?」
「何のこと?」
「とぼけるな。明らかにおかしいだろう....」

 そう、つくしは、今絶好調に、熟れ熟れの状態。俺がそうした。
 いままでのつくしとは、わけが違う。俺から見てもポ〇モンで言うなららば、2段階ぐらいは進化している、そんな感じだ。

「俺の妻をいやらしい目で見ないで欲しいな、父さん。ほら、母さんが見てるよ」
「いや、これはだな......類!何をふざけたことを言う。はははっ、さぁ、彩いこうか?」

 母親からのきつい睨みに、気まずそうに、先に車に乗ってるぞと、彩の手を引き逃げるようにドアの外へ出た。優は、引きづられるように一緒に乗り込んだ。

 ふふん。いい感じ。自分の父親で試すのもどうかと思ったけれど、とりあえずはクリアかな。

「お義父さま、どうしたのかしら?」

 相変わらず、鈍感な奴。きょとんしたボケ顔さえも、今日のつくしは、めちゃくちゃ色っぽい。ぷるんと桃色の艶が増した唇が、わずかに開いていて、まるで誘っているようにさえ見える。

「ああ、つくしを見て、どきどきしたんじゃないの?あまりにもエッチすぎて」
「え?」

 ポッと頬を染める。

「性的刺激は、もう年なんだから心臓に悪いだろう」
「る、類ったら何言ってんのよ」

 そう、この1週間の徹底的な焦らしで、つくしの躰は、途轍もない欲求不満状態となっている。故に、全身から色気がダダ洩れ状態なわけ。
 抱いて欲しくて、牡を引き付けるために、俗にいうフェロモンを全身に纏っているようなもの。

 実際、何もしていなくても頬は上気して、彼女の大きな瞳は、いつになく潤んでいる。
 そして、今日のドレスは、上品な深みのあるワインレッドのタイトなホルターネック。それは、普段は、彼女が絶対に着ないようなデザイン。
 胸にボリュームがないのもデザインでカバーできてるし、まぁ、この一週間で俺も、相当頑張ったからね。胸も一回りぐらいは大きくなったのでは、と自負している。

 とにかく、この日のために、俺は彼女を超欲求不満の発情状態にしたんだ。燻る熱がオーラのように見えそうなぐらい。
 時折、切なげに俺を見ては、はぁ....とため息を零すしぐさに、こっちが思わず反応しそうになる。押し倒したい衝動.....。寸止めの行為は、本当はこっちだって辛いんだ。いくら口淫をさせてたとしても、やっぱり目の前でよがりながらすべてを曝け出す愛しい妻を視姦して、その気にならないわけがない。そんな姿を1週間も見て来たんだ。
 本当は、今すぐにでも彼女を楽にしてあげたいけれど、そうはいかない。
 それは、なぜかって?

 あの運動会の日の、仕返しをするため。

 相手?決まってるだろう。あのつくしを見下した男。
 司なんてかわいいもんだ。たかが手を繋いだぐらいじゃないか。
 俺は、もっとつくしといろんなことしてるし。あれぐらいは、見逃してやる。彩のことだって、子供の戯れ。どうせ10年たったら、司がおっさんだと気付くだろう。

 だけど、あの男だけは許さない。
 つくしのことを恥だと言った。みんなの前で、つくしを泣かせた罪は、しっかりと償ってもらう。


「類、そろそろ行こう?」
「ああ、そうだね。ちょっと待てて。ネックレスつけないと」

 田村に目で合図をすると、セキュリティーボックスから大きなダイヤモンドのチョーカーを取り出し、俺に手渡す。
 彼女の後ろにまわり、鏡の前で彼女の首につけた。

「俺からのプレゼント」
「きれい....っていうか、類、これ...ダイアモンドが凄く大きんだけど。しかも3つ....その周りにも....うわぁ」

 彼女のために作らせたダイアモンドのチョーカー。
 宝石には、まったく興味がない彼女だけれども、花沢の嫁としてそれなりの物は、やっぱり必要。

「類、これもしかして凄く高価なものじゃ......こんなの貰えないよ」
「愛する妻にプレゼントして何が悪いの?つくしは、俺にとってそれをつけるに値する女だよ」

 つくしの庶民癖は、治らない。質素倹約。そういう彼女のことは、もちろん大好きだけれども、男として、プレゼントぐらいは、快く貰って欲しい。

「田村さん.....これ、いくらしたの?」

 小声で金額を聴いているようだ。

「1つ1億です」
「ちょ.....じゃぁ3つで3億!?る、るい!!」
「3億でも安いぐらいだよ、俺にとっては、つくしはプライスレスだから」
「プライスレス.....お金では買えないもの....どっかのCMで、聞いたような言葉.....」

 あんぐりと口を開けたまま、呆れたように俺を見た。
 それでも、大切そうにダイヤに触れ、わずかに微笑んだ。

「この3つは、もしかして、類と優と彩?」

 大きな瞳で俺を見つめる。

「正解。よくわかったね。ついでに....いや、まぁいいか」
「何よ。気になるじゃない」
「大したことじゃないから。気にすんな」

 GPS付だとは、言わないでおこう。
 バレたら、二度とつけてもらえないかもしれないから。でも、それは、君を守るための物なんだよ。

 メイクと髪は、すでに専用のスタイリストが完璧に施しているから、普段のつくしの面影は、ほぼない。
 運動会の時とは、別人。普段のつくしのほうが俺は好きだけど、今の彼女も悪くない。その姿はとても煽情的で悩ましい。彼女がこんな風に変わるなんて、正直、ここまでとは想像していなかった。想定外の仕上がりに俺は、ほくそ笑んだ。復讐劇の始まりだ。

「さぁ、行こうか」

 俺は、彼女の手を取り恋人繋ぎで車に乗り込んだ。


最終話が長くなりすぎて、分けてしまいました。すみません。まだ続きます^^
いつもありがとうございます。


ランキング参加中です。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
8月は九尾の狐の類君クリックしてね


関連記事
  • COMMENT:4

4 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/14 (Wed) 22:14 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/15 (Thu) 12:14 | EDIT | REPLY |   
sirius

sirius  

カ*****さんへ

こんにちは。
お盆も終わりましたね。
また、忙しい日常をお過ごしでしょうか?
ボチボチですが、エンドに向けてがんばります^^
コメありがとう。

2019/08/17 (Sat) 16:13 | EDIT | REPLY |   
sirius

sirius  

l***さんへ

こんにちは、
運動会からのこの流れですよ。もう、何でもありです。
つくしちゃんの色気で、みんなを悩殺できるかは疑問ですが、類君はしっかり、出来事を根に持ってましたw
つくしちゃんを使って復讐を企ていますが、さて、うまくいくのか甚だ疑問ですね。
もうすぐエンドです^^
コメありがとうございます。

2019/08/17 (Sat) 16:19 | EDIT | REPLY |   

Post a comment